事業継続の考え方から認証取得に関するノウハウ、日々のニュースの中の事業継続の話題などを網羅的に収集、提供します。
運営:ニュートン・コンサルティング(株)5月14日、中央防災会議専門調査会が近畿圏および中部圏で直下型地震が起きた場合の経済被害想定を発表しました。中央防災会議の今までの発表とあわせると、国内の直下型地震の経済被害は下記のようになります。
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経済被害 |
うち経済ロス |
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首都直下 |
112兆円 |
45兆円 |
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近畿直下 |
74兆円 |
13兆円 |
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中部直下 |
33兆円 |
8兆円 |
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東海(海溝型) |
37兆円 |
11兆円 |
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東南海・南海(海溝型) |
57兆円 |
14兆円 |
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国 |
規格 |
発行 |
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| イギリス | PAS56 | 2003年3月 | 事業継続管理のための指針 |
| PAS77 | 2006年8月 | ITサービス継続マネジメント一般仕様書 | |
| BS25999-1 | 2006年11月 | 事業継続マネジメント:実践規範 | |
| BS25999-2 | 2007年11月 | 事業継続マネジメント:仕様 | |
| BS25777-1 | 策定中 | ITSCMに関するベスト・プラクティス | |
| BS25777-2 | 策定中 | ITSCMに関する仕様 | |
| アメリカ | NFPA1600 | 2004年1月 | 災害・緊急時の管理・事業継続プログラム |
| シンガポール | TR19 | 2005年9月 | 事業継続管理のためのテクニカル・レファレンス |
| オーストラリア | HB221 | 2004年 | 事業継続マネジメント |
BCM, BCPの認証用規格としては、現在BS25999が最も有力です。
BS25999は、事業継続に関する英国の国家規格として2006年11月に実践規範(パート1)、2007年11月に認証用規格(パート2)が公表されました。
国内では日本規格協会がBS25999の対訳版の発行をおこなっておりますが、他にも国から発行されている幾つかのガイドラインがあります。
| 中小企業庁 | 中小企業のBCP策定・運用方針 | 平成18年2月 |
| 内閣府 中央防災会議 | 事業継続ガイドライン 第一版 | 平成17年8月 |
| 経済産業省 | 事業継続計画策定ガイドライン | 平成17年6月 |
| 総務省 | 地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(BCP) 策定に関するガイドライン | 平成20年8月 |
| 経済産業省 | ITサービス継続ガイドライン |
平成20年9月 |
その他、業界団体から、各業界に特化した指針が発表されています。
| 日本銀行 | 金融機関における業務継続体制の整備 | 平成15年7月 |
| 業務継続体制整備の具体的な手法 | 平成20年6月 | |
| 日本経団連 | 企業の地震対策の手引き | 平成15年7月 |
| 日本証券業協会 | 証券市場全体のBCP整備のための取組みについて | 平成16年2月 |
| 日本情報処理開発協会 | 事業継続管理(BCM)に関する利用ガイド | 平成16年2月 |
| 日本建設業団体連合会 | 建設BCPガイドライン | 平成18年7月 |
| BCAO | 中小企業BCPステップアップ・ガイド | 平成18年12月 |
| 不動産協会 | 不動産協会事業継続計画ガイドライン~オフィスビル賃貸事業編~ |
平成19年11月 |
| CIAJ&JEITA | 電機・電子・情報通信産業BCP策定・BCP導入のポイント | 平成20年1月 |
ガイドライン一覧は随時アップデート予定です。
■ BCMとは
BCM~Business Continuity Management~(事業継続マネジメント)とは、企業が通常の予想規模を超える(期待されない)重大な事象に直面した際に、企業にとっての重要な事業を継続させるために必要な一連の活動を、管理するマネジメント手法のことです。なお、「期待されない事象」とは、その発生頻度が低いものの、一度起こると企業に大きな影響をもたらす可能性のある事象をさし、一般的には事故や災害などがこれにあてはまります。
そして、「企業の重要な事業を継続させるために必要な一連の活動」から生み出される、重大な事象が発生した際の、企業関係者の具体的な行動計画を示した計画(文書)のことをBCP~Business Continuity Plan~(事業継続計画)と呼びます。
したがって、BCMは、有効なBCPを作成・維持・普及させるためのマネジメント手法と言うこともできます。
■ BCMが必要とされる理由
企業のIT化や、サプライチェーンの高度化(緊密化)など、様々な技術が発達したことにともない、一企業の活動範囲が広がりました。これはすなわち、一企業の行動結果(事業中断など)が、一度により多くのステークホルダー(利害関係者:取引先、投資家、地域住民など)に影響をもたらすようになってきたということができます。
あわせて、企業を取り巻く「期待されない事象」の存在が、見過ごせないほど大きなものになってきていることが分かります。地震、台風などの自然災害、火事などの人災などに加え、近年ではサイバーテロや新型インフルエンザなど、企業を取り巻く新たな脅威が急激に増えてきています。
こうした背景から、企業がより真剣に重要な事業の継続について取り組む必要がでてきたということができます。
したがって、「人命保護、資産保護」を目的とした、いわゆる従来の防災対策では、今日求められる「重要な事業の継続」といった目的を達成するには不十分であることがわかります。
先にあげたような「期待されない事象」が起きたときに、重要な事業を支える重要な活動を継続する、もしくはできるだけ早期に復旧することが、今企業に期待されています。
例えば、新潟県中越沖地震では、予想被害額167億円のうち、直接被害よりも間接的被害(休業や売掛金回収不能、風評被害など)の方が多かった、という調査結果が出ています。震災被災後の資金調達、得意先への対応などに課題が残ったという教訓でした。
■ “有効な”BCPを策定するための具体的作業
有効なBCPを策定するためには、以下のような作業を実施することが必要です。
Ⅰ.組織の理解
【BIA】(ビジネスインパクト分析)
① 「事業継続マネジメント」の対象となる「事業」(または製品・サービス)の特定
② ①を支える重要な活動の特定
④ ②を支えるリソース(経営資源)の特定
【RA】(リスクアセスメント)
④ リスクの種類と大きさの特定
⑤ リスク対応の実施
Ⅱ.戦略の決定
⑥ BCM戦略の策定
Ⅲ.BCPの開発と実装
⑦ 事業継続計画(BCP)の策定
⑧ BCPを実現するための準備(資源の調達、システムの実装化など)
Ⅳ.訓練・維持・レビュー
⑨ 演習(リハーサル)の実施
⑩ 是正措置および予防措置