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BIS規制
リスクアセスメントの対象とするリスクを洗い出す際に、BIS規制で使われているリスク分類を元に分析をすることが多いので、今回はBIS規制について説明します。

BIS規制とは、「国際業務を行う銀行の自己資本比率は、8%を超えていなくてはならない」という国際統一基準のことです。(※これとは別に独自に日本では、国内業務のみを行う銀行については自己資本比率を4%という規制を設けています。)

自己資本比率とは、簡単に言えば、銀行が自分のビジネス(金貸しなど)を展開するために使用しているお金のうち、どれだけが自分達の本当のお金で、どれだけが外部から(例えば日本銀行など)借りているのかを示す比率です。「自己資本比率が低い」ということは、すなわち、多額のお金を借りて銀行業を営んでいるということになり、借金が多いということはそれだけ事業が破綻する可能性も高いということを意味しています。

なお、BIS規制とは日本語での呼び名であり、英語では、Basel Capital Accordsと呼ばれています。BISとは、Bank for International Settlementsの略で、スイスにあるバーゼル国際決済銀行のことであり、この銀行におけるバーゼル銀行監督委員会が公表した規制であることから、BIS規制と呼ばれています。

BIS規制の中身は、1988年に初めて公表されてから今日に至るまで、発展の歴史があります。大きくは3段階に分けてその規制が見直されてきています。

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■1段階目: 信用リスクに主眼をおいたBIS規制。
 1988年) Basel I(バーゼルI): the 1988 Basel Accord

1980年代の金融自由化を進めた米国において金融破綻(コンチネンタル・イリノイ銀行など大手銀行が倒産しました)が起こり国際的な問題に波及しそうになったことが、自己資本比率規制を設けるきっかけになったと言われています。破綻した銀行の特徴として、自己資本比率が低かったという事実が認識されたからです。合わせて、当時の邦銀が、自己資本比率が低い(3%を下回っていた)にも関わらず国際金融市場において急発展してきたことなどが各国の注目を買ったため(日本叩き)とも言われています。

いずれにしてもこうした歴史的背景から、このバーゼルIでは信用リスク(債権の貸し倒れなど)を念頭においているということができます。

■2段階目: BIS規制の修正。市場リスクを追加。
 1996年) 市場リスク規制: Amendment to the capital accord to incorporate market risks

為替変動などのリスクを考慮するため、従来のBasel Iに追加する形で、自己資本比率の算出方法に市場リスクを加味するように修正した規制が発表されました。

■3段階目: BIS規制の修正。市場リスクを追加。
 2004年) Basel II(バーゼルII); the 2004 Basel Accord

自己資本比率の算定などに対して、より金融機関のリスクを反映させようとして見直されたBIS規制です。

変更のポイントは、従来の信用リスク、市場リスクに加え、オペレーショナルリスク(例:犯罪、災害、環境、事務、自己リスクなど)も自己資本比率を計算させる際の分母に加えられたことです。また、従来の信用リスクに対しても、不良債権処理の状況や、融資先の規模(中小企業か否かなど)などが反映されるように改定されました。

すなわち、最終的に自己資本比率の計算式は、自己資本/信用リスク+市場リスク+オペレーショナルリスク>=8%になります。

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なお、バーゼル国際決済銀行で決定した事項に、法的な拘束力はありませんが、傾向として、参加国(G10:ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スウェーデン、英国、米国)はすぐに法律に反映し、BISで決定した事項を普及させているのが現状です。

従って、結果的に法的拘束力を持つものであることから、銀行におけるリスク管理では、まずBIS規制対応が柱になることは言うまでもありません。BIS規制への対応を柱にしながら、他の規制(SOX,コンプライアンスなど)に対する対応を行うことになります。

ちなみに、上述したようにBIS規制では広範囲なリスクを見ていることから、BIS規制で定めるリスクの分類の仕方を利用して、様々なリスクマネジメントを行う企業も増えてきているようです。

2008/08/28 (Thu) BCM用語集 Trackback(0) Comment(0)
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